キャットフードの知識

人、猫、犬 の栄養素

地球上で生活している同じ哺乳類の仲間でも、私達人間と猫・犬では進化の過程及び生活の違いから食べ物から摂り入れる栄養素には大きな違いがあります。

犬は雑食、猫は肉食

犬はもともと野生のオオカミから分化して、人間に飼われるようになって犬となりました。

人と犬の歴史は2万年以上になります。

そのため、人間との生活の中で雑食性が進みましたが、人間よりもタンパク質量は多く必要とします。

猫はピラミッドの時代にエジプト人によってリビアヤマネコが飼われた事からイエネコの歴史が始まりますが、人間との生活は犬よりはるかに短く、約5000年です。

そのことから肉食性を保ち続け、人や犬と比べてタンパク質を多く必要とします。

人の男性 23g
人の女性 25g
45g
65g

(上表)1000kcalの食事に必要なたんぱく質量

 
塩分・糖分について
人用の総菜、ハム、チーズなどは猫や犬に与えてしまうと塩分摂取量が過剰となります。
 
私達人間も、現代人は塩分の摂り過ぎで心臓や腎臓に負担をかけたり、高血圧になるなど、注意が必要です。
 
平成30年の調査では1日の摂取量が男性11g(ガイドラインでは8.0g未満)、女性9.3g(7.0g未満)とガイドラインをオーバーしています。
 
 
体重5kgの犬猫の1日の塩分摂取量の目安は犬0.18g、猫0.33gです。
 
体重を10倍に換算しても(犬1.8g、猫3.3g)、人の摂取量の1/3~1/5までが彼らの必要量ですので、人の食べ物はとても危険な塩分量なのです。
 

糖分については犬は甘味のある食べ物が好きですが、肉食である猫は甘味を感じる機能が発達せず、フルクトース(果糖)を代謝する酵素を持っていません。

猫にとって糖分は全く必要としていません。

 
ビタミンCについて
人の身体の中では、体内の酸化還元やコラーゲンの生成に必要なビタミンCが欠乏すると壊血病を発症します。
 
しかし、進化の過程で食べ物からビタミンCを摂取することが可能なため、知能の高いサルや人間は体内での生成機能が衰え、ビタミンCを作ることができません。
 
成人では1日100㎎(レモン5個分)が基準摂取量となっていますが、多量に摂っても体内に蓄積できず、水溶性のため排泄されてしまいます。
 
犬や猫は体内でビタミンCを合成できるので、野菜や果物などの摂取が必要ありません。
 
タウリンについて
アミノ酸の一種で、私達の体内でも重要な働きをするタウリンは「ホメオスタシス作用」という恒常性維持に大切な働きをします。
 
滋養強壮・栄養補給「タウリン1000mg配合リポビタンD」の広告で有名ですが、体内のあらゆる臓器に存在していて、その合計量は体重の0.1%(体重60kgで60g)に相当して、脳・心臓・肝臓・骨格筋・網膜に多く含まれます。
 
体内での合成能力は低いので、食品からの摂取がおすすめです。
 
食べ物では魚介類(カキ・イカ・タコ・イワシ・サバ・ブリやカツオの血合部位)に多く含まれています。
 
猫は人や犬と違いタウリンを体内で十分に合成することができないので、不足すると目の障害(網膜萎縮症)や、心臓疾患(拡張型心筋症)などを引き起こすことがあります。

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