猫が飼い主様を噛んでしまった時の対応はとても重要です。
猫にとっては本能的な行動ですが、それによって起こる事がどんな状況なのか理解してもらわなくてはなりません。
程度問題であるとしても、しつけの面からは絶対にやって欲しくないということを学習してもらいましょう。
“人の手を噛むことは絶対にいけない”という事をすりこみます。
猫ちゃんが飼い主様の身体を噛む行為をとった時、すかさず「あっ!」「イタイ!」「イケナイ」などの短い叱り言葉を発します。
甘噛みの場合も、興奮している場合も、大げさにそれがいけない行為だと理解できるようにふるまい、一呼吸静止します。
興奮している場合は長めのクールダウンをします。飼い主様は身体の動きを止め、無言の状態をつくり、一瞬相手を無視します。
そのことで、今やってしまった噛むという行為がいけない事である、と自覚するまで続けましょう。
しつけをするのは時間と根気が必要ですが、猫ちゃんと快適な時間を過ごせるよう、飼い主様が工夫をして噛み癖のない分別のある猫ちゃんに成長するようぜひ頑張ってみてください。
噛まれた部分の処置
普段一緒に生活し、室内から外に出る機会がまったくない猫ちゃんの場合、処置はそれほど必要ないと思いますが、それ以外の猫ちゃんに噛まれた場合の一般的な対応処置を区別して知識としてご理解ください。
まず、傷口を水で洗い流し、噛まれた部分を絞るように揉み、内部に猫の歯についている雑菌が残らないようにします。
その後、オキシドールなどで消毒をします。
猫による噛み傷は意外と歯が深く入るので、時間が経って腫れ上がることが多いのです。
内部までよく消毒をして雑菌を残さないようにします。
高齢者や、糖尿患者など免疫力の弱い方は感染しやすいので、心配な症状の場合は早めに医療機関で診察を受けましょう。
病気の知識
パスツレラ症
猫の口内に生息するパスツレラ・ムルトシダ菌により、人畜共通感染症を引き起こすことがあります。
発症後20分~2日で皮膚症状・呼吸症状が出ます。主な症状は、傷ができたところが腫れ、化膿します。その他、呼吸器系の疾患や、外耳炎等の局所重症感染症、さらに稀ですが死亡例もあります。
猫ひっかき病
猫に噛まれたりひっかかれたりして、バルトネラ菌が体内に入ることで発症します。
受傷した部分が赤く腫れたり、化膿したりします。
発熱・痛みがあり、ひどい場合は腋窩のリンパ節まで腫れます。稀に脳炎になり意識障害を起こします。