全ての人は「命あるもの」をみだりに殺傷したりくるしめることのないようにしなくてはなりません。さらに、愛護動物をみだりに虐待したり遺棄(捨てる)と犯罪行為として懲役や罰金に処せられます。
愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者 | 懲役5年、罰金500万円 |
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愛護動物に対し、みだりに餌や水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者 | 懲役1年、罰金100万円 |
愛護動物を遺棄した者 | 懲役1年、罰金100万円 |
※2020年の動愛法改正で罰則の引き上げが行われました
1. 虐待の禁止
動物虐待=動物を不必要に苦しめる行為
積極的(意図的)虐待=やってはいけない行為を行う、行わせる
ネグレクト=やらなければならない行為をやらない
動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為のことをいい、正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、必要な世話を怠ったり十分な餌や水を与えないなど、いわゆるネグレクトと呼ばれる行為も含まれます。
また獣医師は、診察の際に、みだりに殺されたり傷つけられた動物や、虐待を受けたと思われる動物を見つけたときは、都道府県等や警察に通報することが義務化されました(2020年)。
・殴る、蹴る、熱湯をかける、動物と闘わせるなど、動物がけがを負う又はけがを負う恐れのある行為や暴力を加える
・心理的抑圧、恐怖を与える
・酷使する
・世話をしないで放置する
・健康管理をしないで放置する
・病気を放置する
・健康や安全が保てない場所に拘束して衰弱させる
・排せつ物の堆積した場所や、他の愛護動物の死体が放置された場所で飼養する
など
人間以外の動物の一生の基本的ニーズ(生理的、環境的、心理的、社会的)は人間と共通していますが、飼養下あるいは人間によって制限された環境にいる動物たちは、これらのニーズを自身で満たすことができません。
これらの状況において、人間はできる限りその動物が苦痛を受けずに生活ができるようにする義務があります。
また、動物への虐待は、人への犯罪的虐待行為につながる場合があることも指摘されています。
2. 遺棄の禁止
命あるものである動物の飼い主様の責任には、動物を愛情もって正しく飼うことだけではなく、最期まできちんと飼うことも含まれます。
飼っている動物を遺棄することは、動物を事故などの危険にさらし、飢えや渇きなどの苦痛を与えるばじかりでなく、近隣住民にも多大な迷惑を及ぼします。
また、日本の自然界に生息していなかった外来生物や飼い猫が野外に放たれるなどして野生化し、それによる農林水産業被害や生態系への悪影響も大きな社会問題になっています。
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