ヤマネコから受け継いだ王者の風格とエキゾチックな魅力を併せ持っています。
対して性格は陽気で活動的、楽しいことを見つけるのはアビシニアンの特性です。
そして、飼い主様には忠実で、深い絆を結ぶことができるため、一緒に暮らすパートナーとして理想的です。
アビシニアンの知識
アビシニアンの起源については諸説があり確定されていません。しかしその名前はエチオピアの旧名アビシニアに由来します。
1868年、イギリス・アビシニア戦争後、従軍したイギリス兵がエジプトのアレクサンドリアの港にいた「ズーラ」という名の雌ネコをイギリスに持ち帰ったのが起源とされています。
イギリスの医師ゴードン・ステーブルスが書いた『CATS: Their Points and Characteristics』(1877)には、「ズーラ」という名のメス猫がエチオピアからイギリスに持ち込まれ、バレット・レナード陸軍大尉夫人のペットになっていると記されています。ズーラはどんな猫よりも猫らしく、野性的だったそうです。
その後、イギリスで在来の縞ネコと掛け合わされ、ヨーロッパに広まったと見られる。世界中のほとんどのアビシニアンはこのズーラの子孫といわれていました。
しかし近年の遺伝子分析研究で、インド大陸ベンガル湾周辺の土着猫が祖先である可能性が指摘されています。
オランダのライデンあるナチュラリス生物多様性センター(自然史博物館)には、アビシニアンと大変よく似ている猫の剥製が保存されていますが、その猫は1830年代中ごろにインドから来たものと説明されています。イギリスは古くからインドと交易があるため考えられることです。
さらには外観上の類似点から、イエネコの祖先であるリビアヤマネコとも血縁が近いといわれています。
古代エジプトの壁画や出土品に描かれていたネコの特徴がアビシニアンによく似ているので、エジプト原産という説もあります。
猫は女神バステトの化身として崇められており、クレオパトラに愛された猫ともいわれています。
アメリカには1900年代に持ち込まれ、イギリスでは1929年にGCCF (Governing Council of the Cat Fancy=1910年に創立した育猫管理評議会)が猫種登録をしています。
外見 | しなやかで筋肉質な体躯。オリエンタルタイプに近い細型のフォーリンタイプ |
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サイズ(体重) | 中型(2.6~4.5kg) |
お顔 | 頭部は大きく、やや丸いくさび型。耳も大きくカップ型で、大きな目はアーモンド型にやや吊り上がっている。アイラインのような被毛で目の周りが縁取られている。 |
毛色 | ルディ、レッド、ブルー、フォーン |
目色 | ゴールド、グリーン |
アビシニアンはティックド・タビーの美しく輝く極細かい縞パターンに包まれた、シャープで筋肉質の体格を持つ、やや小さ目の中型猫です。
頭部は丸みを帯びた逆三角形で、おでこにあるM字型のタビー模様が特徴的です。
大きな耳と大きな丸いアーモンド形の目が印象的な美しい顔立ちをしています。
目の縁にはマスカラを施したような濃いラインと、それを囲むような明るめなラインがあります。
足は細長い筋肉質のフォーリンタイプの猫で、小さく丸い脚先をしています。
毛色はルディー、レッド、ブルーおよびフォーンの4色です。
目色はゴールドとグリーンのみです。
アビシニアンの被毛は1本1本の毛に3〜6色の濃淡がある珍しいカラーで「グラデーションカラー」又は「アグーティーダビー(アビシニアンダビー)」とも呼ばれています。光の加減や身のこなしによってキラキラと美しく輝きます。
これをティックド・タビーと呼びます。子猫の頃はしっぽや手足に、よりタビーらしい縞が浮き出ることがありますが、多くは成猫になるに従って、非常に細かいティックドになっていくようです。
・活発でとても知的
・好奇心が強く、遊び好き
・飼い主に忠実
アビシニアンはエレガントで高貴な容姿と裏腹に、実際はおおらかで人なつっこい性格をしています。
甘えん坊で飼い主とのコミュニケーションをしたがる猫です。賢くて物覚えが早く、名前を呼ばれると返事をしながらかけ寄ってくる姿から「犬のような猫」ともいわれています。初対面の人間や、ほかの猫や犬などのペットとも仲良くでき、人間の子どもに対しても上手に相手をします。
大きな声は出さず、鈴を転がすような繊細な鳴き声で、さまざまな自己表現をみせてくれます。おしゃべりが大好きな猫なのです。
飼い主さんの後をついて回る姿が愛くるしくて、猫との深いコミュニケーションを望む方にはオススメな性格の猫といえます。
アビシニアンは引き締まった筋肉質の肉体から察せられるように、運動能力は素晴らしいものがあり、高い所に上るのも好きです。
好奇心が旺盛で活発な性格もあるため室内で猛スピードでダッシュして、モノが壊れたりひっくり返ったりすることがよくあります。
肥満の予防のためには、運動が必要不可欠です。運動量を確保するために、家の中にキャットタワーなどを設置して遊び場を確保してあげてください。
他には「扉付きのケージ」「キャリーバック」「トイレ」「食器類」「循環式給水器」「猫用ベット」などを用意してあげると良い飼育環境といえます。